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●厨房の英文法(笑)・第14日目

● SVOOの最初のOとあとのOを取り違えてしまいます。どうしたらいいですか?

 SVOOにおける2つのOのあいだには、はっきりとした関係があります。次の例文をみてください。

1. I'll give Yuki this doll.

 「この人形をユキにあげるつもりだ」

 Yukiが最初のO(間接目的語)で、this dollがあとのO(直接目的語)になっています。この2つのあいだにはhave「所有する」という関係があるのです。つまり、

Yuki have(has) this doll

の関係です。

 例文1は「私がこの人形をあげることで、ユキはこの人形を所有することになる」というのが、SVOOの2つのOの関係を表に出した意味になります。

 この関係がわかれば、どっちが先でどっちがあとかを迷うことはなくなるはずですね。

 なお、例文1が、

1'.I'll give this doll to Yuki.

と書き換えられることも大切ですから、ぜひ覚えてください。

2. I'll make you some coffee.

 「コーヒーをいれてあげるよ」

 この場合は、you とsome coffeeにhaveの関係が成り立ちますが、ダイレクトに、you have some coffee とhaveを使って書き換えられるわけではありません。

you have some coffee

とすると、ちょっと違和感があります。

 例文2を例文1のようにSVOに書き換えてみましょう。例文1のように物がダイレクトに移動して相手の所有物になるのであればtoが適切ですが、この場合はそうではありません。

2'.I'll make some coffee for you.

と、toではなくforを使うのがポイントです。このようにhaveの関係ではなく、haveと近い関係になっている場合もあるので留意しておいてください。

 次の例文を見てください。

3.I wish you a Merry Christmas.

 もちろん普通はI wishを省略し「Merry Christmas!」と言いますが、こんな言い方もします。Merry ChristmasはもともとSVOOの文型なのです。

 この場合、youが最初のOでa Merry ChristmasがあとのOです。haveの関係を表に出すと「あなたがすてきなクリスマスを所有することを私は願っている」といった意味になります。

 have a good time「楽しい時間を過ごす」という言い方があることから推測すれば、これが「すてきなクリスマスをお過ごしください」といった意味になるのは容易にわかるでしょう。

 次はちょっとだけ高度ですが、考え方がわかれば簡単です。

4. He will deny you this doll.

 これもSVOOです。denyは「拒否する」の意味ですが、この文の意味がわかりますか?

 これは「あなたがこの人形を所有することを彼は拒否するだろう」、つまり「彼はあなたにこの人形をあげないだろう」の意味になります。

 ときどき「deny O Oはnot give O Oと同じ意味になる」といった記述を見かけますが、2つのOのあいだにhaveの関係があるということを知っていれば、それほど理解がむずかしいことはないはずです。

 なお、SVOOでこの関係が成り立たない場合もあります。次のような例です。

5. Yuki told me that she was ill.

 「ユキは私に自分が病気なのだと告げた」

 最初のOがmeで、次のOがthat she was ill「彼女が病気であること」です。ここまで見てきたSVOOとは根本的な成り立ちがちがうようにかんじます。もちろん、その原因はあとのOがthat SVになっていることですが、もうすこし掘り下げて考えてみましょう。

 辞書を開いてもらうとわかりますが、tellは、

6. Yuki told me about the rumor.

 「ユキは私にそのうわさについて話した」

のようにSVO (about something)が基本の形です。なぜそんなことに言及したかわかりますか? そうです。about somethingのところがthat SVになったのが例文4のtell O that SVの形なのです。これはもともと、

×…told me about that she was ill

のaboutが省略された形だと考えると理解できます。that SVやwhen / how / what whereSV、what / where / when / how to doなど疑問詞で始まる文や句の前では前置詞が省略されますから、もとはSVO (about something) のaboutにあたる部分がなくり、見かけ上SVOOと同じになってしまったと考えれば納得できます。

 最後にSVOOの受動態について考えてみましょう。

 例文1を受動態にしてみます。さて、どうなるでしょうか?  前で勉強しましたが、受動態の主語はもともと動詞の目的語(O)になるはずです。ここはSVOOの文型ですから、最初の目的語とあとの目的語の2つの受動態が作れるはずです。Yukiとthe dollをそれぞれ主語にして考えてみましょう。

1-1. Yuki will be given this dolls (by me).

1-2. This dolls will be give Yuki (by me).

 この英文自体が自然か不自然かの問題をさておくと、とりあえずは両方ともに成立しています。ただ、1-2は、例文1'をもとにした、

1-3. The dolls will be given to Yuki.

とtoを入れたほうがより自然です。 同じ意味のSVOが受動態にしたほうがずっと自然なのです。

 1-2はThe dollsに力点がありますから、元の文を例文1'と考えたほうがいいからだと考えられます。

 なお、例文2のようにSVOOがSVO for Oとなる英文では最初のOを主語にした受動態、

× You will be made some coffee.

はたいへん不自然な文になります。また、

× Some coffee will be made you.

もまちがった文で、

2'-1. Some coffee will be made for you.

と、SVO for Oを元にした受動態ならかろうじて文法的にはOKです。ただいずれにせよ、かなり不自然になってしまいます。

 英作文では安易に受動態を使うことは避けるべきなのだということを、前回と今回で確認してください。

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