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●厨房の英文法(笑)・第13日目

● 受動態にできるものとできないものがあるそうですが?

 受動態の基本は、SVO(主語+動詞+目的語)のOが主語になり、Vがbe動詞+動詞の過去分詞になるというものです。主語をby 主語であとからつける場合もあります。

 今回はSVOの受動態にしぼって具体的に見ていくことにしましょう。

1.They hate Tom「彼らはトムを嫌っている」

→Tom is hated (by them).「トムは嫌われている」

2.He made the desk yesterday.「昨日、彼はその机を作った」

→The desk was made by him yesterday.「その机は昨日彼によって作られた」

 受動態の文で大切なのは、「主語が変わっている」ということです。あたりまえのようですが、主語が変わると言うことはその文の主題が変わったということで、つまりはその文の視点そのものが変わっている点です。

 1なら力点は「彼ら」にあるのですが、受動態になると「トム」に力点が移ります。

 2なら、「彼が作った」ことが力点になっていますが、受動態だと「その机が作られた」ことに視点があるというわけです。

 これは次の例文ではっきりしてきます。

3.The students can choose only one kind of cake.

 「生徒たちは1種類だけ好きなケーキを選んでいい」

Only one kind of cake can be chosen (by the students).

 「1種類だけ好きなケーキ選ぶことができる」

 3の能動態と受動態のちがいがわかりますか? 最初の文が言っているのは、「マイクはいちごショート、ケイトはモンブラン、ガスはチョコレートケーキと、おのおのの生徒が好きなものを1種類だけ選んでいいという意味です。

 受動態のほうは「1種類だけ」に力点がありますから、生徒たちが選んでいいのは「モンブランならモンブラン、ほかのものはダメ」ということです。

 たとえガス君が「チョコレートも欲しい」と言っても、「1種類だけが選ばれうる」とちゃんと記述されている以上、それを2種類にしてケイトとガスの2人とも満足させることはできないわけです。生徒がそれぞれどんなケーキを食べたいのか知らないけれど、とにかく「1種類だけだよ」と言っているのが受動態の文です。

 では次の例はどうでしょうか。

4.Yuki speaks Japanese. 「ユキは日本語を話す」

 SVOの第3文型ですから、当然OのJapaneseを主語にすれば受動態ができるはずです。

× Japanese is spoken by Yuki.

 おや、×がついていますね。なぜかわかりますか?

 受動態の主語では、そこに力点があると学びました。この文ではJapaneseに力点があるわけですが、まず「日本語が話される」にと言われて、「あ、ついでに言うと、それはユキによってなんだよ」と言われたら、違和感があります。by Yukiはここではあってもなくてもいいようなことではなく、絶対的な要素ですから、こんなアンバランスな言い方はできないわけです。

5.Japanese is spoken in Japan.

 「日本語は日本は話されている」

 もちろんこれなら自然な英語です。日本において「日本語が話されている」ことに主題があり、そこに力点があることにまったく違和感がないからです。

 このように、受動態においては「主語+be+動詞の過去分詞」の部分に強い力点があることをゆめゆめ忘れてはいけません。SVOが成立するなら、なんでも受動態にできるわけではないのです。

 もうひとつ考えてみましょう。次のような例です。

6.They laughed at Tom. 「彼らはトムを笑った」

 この文の受動態を考えてみましょう。

 ここで第10日目にやったことを思い出してください。SVOの第3文型についてです。

7.He look at the cat.

 さて、この文はSVの第1文型に前置詞+名詞がついた形だったでしょうか? ちがいましたね。look atで1つの他動詞と考えようということでした。例文6のlaugh atも同じように1つの他動詞と考えてください。

 すると、6の受動態は、

6'.Tom was laughed at (by them).

となるはずです。なにしろlaugh atでセットになっているわけですから、atなしでは他動詞ではなくなってしまいます。7ももちろん、

7'.The cat was looked at (by him).

とならなければいけないはずです。同じように、次の例文も考えてみましょう。

8.People looked up to Nakata as an excellent athlete.

 「人々は中田をすばらしい選手として尊敬した」

 8を受動態にしますが、ここはlook up toの3語で1つの他動詞だと考えなければなりません。そうでないと目的語のNakataを主語にすることはできないはずです。lookだけでは自動詞だから受動態をつくることができないからです。

 すると、

8'.Nakata was looked up to as an excellent athlete.

 「中田はすばらしい選手として尊敬された」

となります。

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