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●厨房の英文法(笑)・第10日目

●他動詞と自動詞はどう違うのですか?

 他動詞と自動詞のちがいは「目的語をとるかとらないか」になることをご存じですね。念のために確認しておきましょう。

自動詞→目的語をとらない

他動詞→目的語をとる

 ここで目的語を「とる」とは、「目的語が動詞の直後に置かれる」の意味です。

 たとえば、 I love you. であれば、youはloveの目的語に動詞loveの直後に置かれています。loveは他動詞です

 前の項で「英語の文型の基本はSVOの第3文型だ」と言ったことを覚えていますか? 英語は他動詞のほうが数が多く、また私たちにもわかりやすいものです。具体的に考えてみましょう。

 動詞「食べる」だったら、目的語は「…を食べる」の…にあたる「食べ物の種類」がきそうですね。eat lunch「お昼を食べる」などのようになります。eatはもちろん他動詞。

 動詞「たたく」だったら、「…をたたく」の〜にあたる「叩く相手」がきそうです。beat the drum「ドラムをたたく」などとなります。

 ところで、「見る」はどうでしょうか? 「見る」にあたる単語はたくさんありますが、基本単語としてlookとseeを思い浮かべる人が多いでしょう。

 seeはsee the accident「その事故を見る」のようになります。seeは他動詞です。

 ではlookはどうでしょうか。学校で英語の先生がLook at the blackboard!「黒板を見なさい」と言ったりしていました。そう。「…を見る」というとき、前置詞atが必要です。

 「じゃあ、lookは自動詞なの? 他動詞なの?」と疑問にもつ人がいるでしょう

 わからなくなったら前提に戻ります。他動詞の定義は? そう。「目的語が動詞の直後に置かれる」でしたね。直後に置かれるんですから、前置詞がはさまっていると自動詞ということになりそうです。

 しかし、この場合はlook atでひとつの他動詞と考えることにしましょう。えっ、納得できませんか? じゃあ次の例を見てください。

He look at the cat from his house.

 「彼は家からそのネコを見た」の意味ですが、from his houseという<前置詞+名詞>の形があります。この英文は、 From his house, he looked at the cat. とすることもできますね。でも、at the catを前にまわして、

×At the cat he looked from his hose.

とすることはできません。つまりlook atでセットになって、切り離すことができないのでうす。こういった場合は「動詞+前置詞でひとつの他動詞」と考えることにしましょう。

 そうすると、look into「探す」、look up to「尊敬する」など、同じlookであってもちがう動詞だと考えるわけです。look intoを他動詞investigateに、look up toを他動詞respectに言いかえる問題がありますから、やはりセットで他動詞と考えたほうがいいでしょう。

 ただ、このように割り切りのしにくいセットも少なくありません。たとえば、

He will arrive at the place at seven.

「彼は7時にそこに着くだろう」

のarrive atをセットで他動詞と考えるか自動詞と考えるかは微妙です。arrive atでreachと他動詞1語で言いかえられますし、

At that place, he...

のように位置を移動させることはできませんが、 He will arrive on time. 「彼はちょうどに着くだろう」 のように前置詞のつかないことも多く(on timeは「時間どおりに」の意味の副詞)、また、

He will arrive in Tokyo today.

「彼は今日東京に着くだろう」

のようにatでない前置詞も使います。

 このように場所や時間をあらわす<前置詞+名詞>がくる場合は「セットで他動詞」と考えずに、「時間をあらわす副詞(句)」「場所をあらわす副詞(句)」のように考えたほうが便利なことが多いようです。上の例文は、

He will arrive there today.

と置き換えられますが、look at the placeをlook thereなどと言いかえることはできません。自動詞かセットで他動詞かという議論においては、こういったどちらにも決めかねる例があることも留意しておきましょう。

 また、agree with/toやconsist of/inなどなど前置詞とセットになる動詞はたくさんありますが、こういったものをセットで他動詞と見るか自動詞+前置詞と見るかはとてもむずかしい問題です。

 ただ、むすびつきがlook atほど強くはないので、自動詞+前置詞ととりあえずは考えたほうが辞書を引く際には便利なことが多いかもしれませんが、「どちらであるか」にこだわるとかえってややこしくなってしまいます。

 ではここまでの力試しをやってみましょう。次の動詞は自動詞か他動詞か考え、それぞれ訳してみてください。

1. He drank a lot of water.

2. He drank a lot.

 1は「水をたくさん飲んだ」の意味ですね。簡単です。 a lot of waterが目的語になっているのでdrankは他動詞ですね。

 2のa lotは「たくさん」の意味の副詞です。drinkは自動詞ではふつう「お酒を(たくさん)飲む」の意味ですから、「彼はお酒をたくさん飲んだ」の意味になります。たんに「飲んだ」ではありません。

 さて、正確に訳せましたでしょうか?

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